宇宙航空研究開発機構(JAXA)は20日、宇宙飛行士の野口聡一さん(57)が6月1日付で退職すると発表した。野口さんは今月25日に記者会見する。宇宙での滞在時間は日本人2番目の344日余り。日本人飛行士のリーダー格として、宇宙開発の先頭に立ち続けてきた。

 野口さんは2005年の米スペースシャトル、09年のロシア・ソユーズ宇宙船に続き、20年には米新型宇宙船クルードラゴン1号機に米国人以外で初搭乗した。計4回の船外活動に取り組んだ。

 船外活動は通算27時間1分の長さで、日本人として歴代2番目。3回目の宇宙滞在は日本人最高齢となる55歳で達成したとの記録も持つ。

 21年5月の地球帰還後は、JAXAで有人宇宙技術の研究開発業務に取り組んでいた。21年12月には東京大先端科学技術研究センターの特任教授にも就任した。

 東大特任教授に就任した後の記者会見では、人間関係を巡るコミュニケーション障害の解決に関心があると説明。「社会の生きづらさを生む障害を明らかにしたい」と意気込みを語っていた。宇宙飛行士らの引退後のライフデザインも研究する意向を示していた。

 JAXAの現役飛行士は野口さんを含めて7人で平均年齢は50歳を上回る。JAXAは昨年、13年ぶりとなる新飛行士の募集を始め、来年2月に数人の候補者を選抜する。