県内最大の書の公募展「梧竹・蒼海顕彰第30回記念佐賀県書道展」(佐賀新聞社主催)が、31日から前・後期に分けて佐賀市の県立美術館で開かれる。委嘱部門で文部科学大臣賞・大賞に輝いた徳廣彩圭さん(佐賀市)の調和体「山村暮鳥の詩」をはじめ、一般公募の部で最高賞にあたる県知事賞に選ばれた森山南斗さん(同)の漢字「趙執信詩(ちょうしつしんし)」など計486点が並ぶ。
 書道展は書道文化の発展を目的に、1993年に創設された。佐賀が生んだ明治時代の書家、中林梧竹(1827~1913年)と副島蒼海(本名種臣、1828~1905年)を顕彰する。
 第30回記念展は漢字、かな、調和体など全7部門に顧問4点、審査会員45点、委嘱120点、一般公募462点の計631作品の応募があった。審査委員長は前回に続き、鍋島稲子さん(台東区立書道博物館)が務めた。
 展示は前期(31日~6月5日)、後期(同7日~11日)で作品を一部入れ替えて行う。(花木芙美) 

文部科学大臣賞・大賞 調和体「山村暮鳥の詩」 〓(徳の心の上に一)廣彩圭


■大賞受賞・徳廣彩圭さん

 古典学び、書で思い表現

 佐賀市の高校教諭徳廣彩圭さん(33)は、詩人山村暮鳥(ぼちょう)(1884~1924年)の詩「岬」を書いた調和体で文部科学大臣賞・大賞に輝いた。バランスが難しい調和体を鮮烈な白と黒のコントラストで美しくまとめ、高い評価を受けた。

文部科学大臣賞・大賞を受賞した〓(徳の心の上に一)廣彩圭さん=佐賀市の佐賀北高

 徳廣さんは「言葉を自分なりに解釈して、言葉と表現を一致させるのが目標」と語る。岬にすっくと立つ景観を歌い上げた堂々とした詩に季節を感じ、簡素な言葉で紡ぐ雄大な自然に魅力を感じて同作を題材に選んだ。余白を重要視し「白で書く」を意識して仕上げたという。

 佐賀北高芸術コースから福岡教育大に進み、同大学院を修了した。在学中は中林梧竹の書を学び、小城市の梧竹記念館で働いたこともある。梧竹の書から感じるのは「しっかり古典を学んだ基礎力の高さ」だといい、古典を学ぶ重要さが身に染みた。
 4月に佐賀商業高から佐賀北高に異動してきた。かなをはじめ篆書(てんしょ)や隷書など、幅広い書体の指導ができるよう、古典と向き合い研さんに励む。「書道は私にとって思いを表現する方法のひとつ。もっと勉強して表現の幅を広げたい」とはにかんだ笑顔を見せていた。(花木芙美)

 

受賞者一覧


文部科学大臣賞・大賞 委嘱 調和体 「山村暮鳥の詩」 徳廣彩圭

準大賞 委嘱 漢字「陶淵明の詩」 松本恵仙

準大賞 委嘱 漢字「陶渕明の詩」 中嶋寿香

準大賞 委嘱 漢字「李白詩」 富松美峰

準大賞 委嘱 かな「春雨に」 山口越周

準大賞
 委嘱 少字数書「動」 前田玄鳳

佐賀新聞社賞
 委嘱 墨象「包による」 江崎赤舟

佐賀新聞社賞 委嘱 漢字「易恒の詩」 松尾秋蘭

佐賀新聞社賞 委嘱 漢字「田園雑興八首」 大野小華

佐賀新聞社賞
 委嘱 少字数書「適」 江島稲香

佐賀新聞社賞 委嘱 かな「牧水の歌」 田中恵華

佐賀県知事賞
 一科 漢字 「趙執信詩」 森山南斗

佐賀県議会議長賞 一科 調和体 
「中島哀浪の歌」 中島叡子

佐賀県教育長賞 一科 漢字 「巻菱湖詩」 正寶直美

佐賀市長賞 一科 かな 「『金槐和歌集』より」 藤木香江


※徳廣彩圭さんの徳は、徳の心の上に一