盛り土規制法が可決、成立した参院本会議=20日午前

 静岡県熱海市の土石流災害を踏まえ、危険な盛り土を全国一律の基準で規制する盛り土規制法が20日、参院本会議で全会一致により可決、成立した。知事や市長が指定した規制区域内での造成を許可制とし、違反した法人に最高3億円の罰金を科すなど罰則も強化。土地所有者らが安全な状態に維持する責務も明記した。来年5月ごろに施行し、それから5年以内に全国で規制区域指定が完了することを目指す。

 盛り土は宅地、農地、森林など造成される場所によって適用法令が違い、規制内容も異なっていた。独自の規制条例を設ける自治体も多いが、対策が緩い所で危険な造成が行われるケースが多い。不適切な盛り土が被害を拡大させたとされる熱海市でも、当時の県条例の罰則が軽く、抑止力に欠けたと指摘されている。

 このため宅地造成等規制法を改称し、あらゆる用途の土地に適用するよう抜本改正した。都道府県や政令市、中核市が、盛り土の崩壊で住宅に被害を及ぼす恐れがある場所を規制区域に指定。区域内での造成を許可制とし、排水設備の設置など安全対策を要件とする。

 安全対策を確認するため施工状況の定期報告を求め、工事完了時の検査も行う。管理が不十分で安全性に問題が生じた場合、土地の所有者に加え、造成業者や過去の所有者にも是正措置命令を出すことができる。現行法では個人、法人問わず「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」にとどめている罰則も改正。個人は「3年以下の懲役または1千万円以下の罰金」に引き上げ、法人には最高3億円の罰金を科す規定を新設する。

 国土交通省は、実務を担う自治体用の指針策定に向け、有識者検討会を設置する方針。6月にも初会合を開き、規制区域の指定や造成を許可する際の基準について議論する。