画家の服部大次郎さん(佐賀市)が2004年3月まで毎月1回、佐賀新聞に連載した「記憶の風景」。昭和30年代の子どもたちを描き続け、23年間で約280回を数えた。添えられた軽やかな文章も楽しかった◆連載の中に「ザリガニ釣り」があった。柳の枝の先に輪を作り、標的の背後にそっと沈める。水の揺らぎに危険を感じたザリガニは、持って生まれた習性でバックする。輪に入ったところをすかさず釣り上げる様子がいきいきと描かれていた◆見出しには「狙うは赤くて大きいヤツ」。深みのある赤色で、立派なハサミのアメリカザリガニである。服部さんとは捕り方が違うが、わが少年時代もザリガニ釣りは心が躍る遊びだった。大きいヤツを釣ろうと、競い合ったのが懐かしい◆外来種の規制を強化する改正外来生物法が成立した。アメリカザリガニとアカミミガメ対策では新たな個体の輸入や販売、野外への放出を禁じる。ただ、既に広く飼育されているため、遺棄防止を目的に政令で定めれば飼育や譲渡は認められる◆勝手に連れてこられた上にやっかい者扱いではかわいそうな気もするが、生態系を守るためである。琵琶湖ではペットとみられるチョウザメが捕獲されたという記事もあった。昔を懐かしむだけでは済まされず、飼育マナーの順守が欠かせない状況にある。(知)

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