佐賀県議会が全会一致で採択した県庁敷地内に喫煙所の設置を求める請願を巡り、山口祥義知事は19日の定例会見で「県庁の取り組みが社会の先例になることも多く、受け止められ方を考えると慎重にならざるを得ない」と設置に否定的な考えを示した。議会側に採択の経緯などを聞き取り、9月定例会の前に対応の結果を議会に報告する。

 請願は、県庁敷地内が2019年から全面禁煙になったことを巡り、近くのコンビニの喫煙スペースなどに愛煙家の県職員らが集中し、かえって受動喫煙を誘発しているとして県に喫煙所の再設置を求める内容。県たばこ販売協同組合などが提出し、県議全員が紹介議員となって3月定例会で全会一致で採択した。

 これに対し、県医師会や県保険医協会、がん対策に取り組むNPO法人が設置反対の要望書を知事に提出し、「たばこが周囲の人にも重大な健康障害をもたらすのは広く知られた常識」などと指摘した。

 会見で山口知事は「医師会の話は至極もっともだ」と設置反対の考えに賛同した上で「県議会がなぜ全会一致で請願を採択したのかが分からないので、どういう議論があったのか、これから(県としての対応を)検討する中で聞かせていただきたい」と話した。

 近隣のコンビニに愛煙家が集中していることには、「申し訳ないと思っている。そこでの受動喫煙の問題も出てくるので悩んでいる」と述べた。(栗林賢)