オープンした「にこっと」と荒牧順子代表=佐賀市神園

放課後等デイサービス「ju-sin」のスタッフら=唐津市宇木

当事者とスタッフに負担がかからないよう、自動で上げ下げできるストレッチャーを風呂場に取り入れた=唐津市宇木

気持ちを落ち着けるカームダウンの部屋も=唐津市宇木

当事者とスタッフに負担がかからないよう、自動で上げ下げできるストレッチャーを風呂場に取り入れた=唐津市宇木

重度心身障害者を対象にした放課後等デイサービス「ju-sin」を開所した=唐津市宇木

 日常的にたんの吸引やチューブからの食事などが必要な「医療的ケア児」。看護師の配置が求められることや、急な入院によるキャンセルが多い事情などから受け入れ施設の不足が課題になっている。保護者の要望に応え、佐賀市と唐津市に施設が相次いで開設された。(中島野愛、横田千晶)

子どもと家族のサポート にこっと、保護者同士の交流図る

 ○…医療的ケア児を含む重症心身障害児対応の事業所「にこっと」が、佐賀市神園にオープンした。送迎や入浴、長時間の託児などを手がけ、利用者の「自己実現」のサポートとともに保護者の負担軽減につなげる。

 障害者の就労支援施設やグループホームなどを展開するドアーズ(荒牧順子代表)が、医療的ケア児対応の短期入所施設を運営する中で「日中の受け入れ先が少ない」との保護者の声を聞き、受け皿をつくることを決めた。

 施設は古民家を改修し、未就学児対象の児童発達支援(定員5人)、放課後等デイサービス(同5人)、成人まで利用できる日中一時支援(同10人)を行う。利用者の家族がくつろげる「インクルーシブスペース」も設け、保護者同士の交流も図る。

 荒牧代表は「利用者だけでなく保護者に対しても包括的なサポートをしていきたい。今後社会に出たときに役立つような『強み』を利用者から引き出し、保護者にもできるだけのサポートをしていきたい」と話す。問い合わせは、電話050(5211)7658。

多角的な視点のケア目指し ju-sin、施設内で相談事業も

 ○…就労継続支援などの事業所を運営する「ainoki」は、唐津市宇木に医療的ケア児を含む重症心身障害児を対象とした放課後等デイサービス「ju-sin」を開所した。看護師や言語聴覚士、介護福祉士などの職員らが対応し、「多角的な視点でのケア」を目指す。

 代表の山口ひろみさん(48)は娘に重度の知的障害があり、「放課後に安心して預けられる場所を」と2016年に放課後等デイサービスの施設を市内に開設した。ただ、重症心身障害児を預かる施設は少なく、「仕事を続けられない保護者やひとり親家庭の声を聞き、ニーズの高さを感じていた」という。

 重症心身障害児に対応する放課後等デイサービスは4月からスタートさせ、施設内で相談事業も展開している。山口さんは「自分の子育ての時も先輩ママなど周りに助けてもらったので、恩返しをしたい。子どもを尊重し、じっくり関わっていける場にしたい」と話す。問い合わせは、電話0955(88)9739。