玄海地区の水産物の消費喚起を目的に、県が認定を進めている「唐津ん魚こだわりの店」のポスター=県庁

 玄界灘で取れる水産物の魅力を発信しようと、佐賀県が「唐津ん魚FAN拡大プロジェクト」を進めている。「唐津ん魚こだわりの店」として認定する事業を本年度からは新たに鮮魚店やスーパーなどの小売店にも拡大、唐津・玄海地区だけでなくより広いエリアでファン作りを進め、消費を喚起する。

 プロジェクトは2021年度から始め、2年目。初年度はホテルや旅館を含む飲食店のみを認定事業の対象としていたが、本年度からは小売店に広げる。

 県内に店舗がある鮮魚店、直売所、スーパーなどが対象で、唐津市、伊万里市、東松浦郡玄海町で水揚げされた水産物を常時販売することなどが条件。県が認定証やのぼり旗、ポスターなどを提供し、「唐津ん魚」の特集コーナーなどを作ってもらう。飲食店の認定も継続しており、3月末時点で佐賀市を中心に約100店舗まで広がっているという。

 県水産課によると、玄界灘は対馬暖流に乗ってさまざまな魚種が集まる好漁場で、漁場から港までの距離が比較的近いため鮮度も保たれるほか、定置網漁など魚への負担が少ない漁法で品質が高いという。

 ただ、全国的な魚の消費低迷などを背景に、玄海地区の漁獲量は10年の1万282トンから19年に3006トンと約7割減った。佐賀市などの飲食店でも他県産の水産物を取り扱っている店が多かったため、認定制度を契機に玄海地区の水産物の消費喚起を促している。

 夏場はイサキやケンサキイカ、アジが旬を迎える。県水産課は「認定制度があれば、どこで食べたり買ったりできるかが分かりやすい。飲食店と小売店を合わせて実施することで消費拡大の効果を高めたい」と話す。(大橋諒)