近所のおじさんたちがふらりと来て酒を飲み始める。いつごろまでだったろうか、田舎ではよく見かける光景だった。つまみは「がん漬け」。有明海沿岸部ではなじみの珍味である◆がん漬けは小さなカニを塩で熟成させたもので、ごはんのお供としても食卓に出ていた。かつては農作業の際の塩分補給にも食べていたそうで、それほどに塩味が強かった。たまに見かけると懐かしくなるが、塩分の過剰摂取は禁物である◆きょう5月17日は「高血圧の日」、毎月17日は「減塩の日」。かかりつけの医師からは「食事に気を配って」と注意されるが、血圧が気になるご同輩は多いようで「塩分控えめ」をアピールした商品が目につく◆厚生労働省のホームページに、コンビニ大手「ファミリーマート」の取り組みが紹介されていた。2018年から塩分を減らした弁当の開発を進め、徐々に品目を増やしている。「減塩食品はおいしくない」というイメージもあるため、調理法などを工夫。あえて減塩を強調する表示はせず、“こっそり減塩”を進めてきた◆健康志向が高まる中、企業の取り組みは広がりそうだが、時には塩分のきいた物も欲しくなり、つい手を出してしまう。定期の健康診断を控え、こっそりの不摂生が露呈するのではないかと気になっている。ご同輩よ、塩分はほどほどに。(知)

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