佐賀県は、知的財産の「保護・活用・創造」を目的に、県や事業者らの責務を定めた新しい条例を制定する。県産の園芸ブランド「いちごさん」や「にじゅうまる」の不正流出事案を受け、県民挙げて知的財産保護の機運を高める狙い。義務や罰則規定のない「理念条例」で、25日までパブリックコメント(意見公募)を実施する。

 県は2009年に知的財産の活用と創造を目的に条例を施行したが、今回は保護の取り組みを加えた。素案の基本理念では「保護・創造・活用」の3本柱を打ち出し、「知的財産が適切に利用される社会的機運を醸成する」としている。

 素案は8条で構成。県の責務として、侵害行為の防止措置を講じることや、知的財産に関する人材育成、基盤整備を課した。事業者には違法・不当行為に対し必要な対策に努めるよう盛り込んだ。県民にも、知的財産を侵害していない真正な製品の購入、活用を求めた。教育や知識の普及について大学と市町の責務も規定した。

 知的財産を巡っては、既に法律で権利や罰則が定められているため、県条例は県の考え方を明文化する理念条例と位置付ける。前文では「佐賀牛」や「佐賀海苔 有明海一番」「サガンスギ」を例示し、「佐賀の未来を担う貴重な知的財産を県民皆で守り、育てる機運をさらに高め、新たに生み出す好循環が深く根を張ることを目指す」としている。

 6月9日開会予定の定例県議会に条例案を提出し、7月施行を目指す。これに伴い、旧条例は廃止する。県のホームページで「知的財産を大切にし、みんなで守り、育て、新たに生み出す条例(仮称)」の素案を閲覧できる。(栗林賢)