35ヘクタールで土壌改良を行うことが報告された第3回塩害対策本部会議=江北町公民館

 杵島郡江北町の水路に六角川から海水が流入した問題で、江北町などでつくる塩害対策本部は12日、農地35ヘクタールで土壌改良を行うことを明らかにし、農家らに説明した。今は多くの農地で麦やタマネギが生育中で、収穫後に石灰を散布する。

 町公民館で開いた3回目の会議で報告した。町や県は当初、塩害の恐れがある150ヘクタールの土壌を検査。塩分濃度などが作物栽培に影響があるとみられる農地を35ヘクタールに絞り込み、57地点を再検査していた。

 分析の結果、塩素は作物栽培に影響ない数値だったが、土に粘りが出て排水不良になりやすいナトリウムの数値が7ヘクタールで高かった。7ヘクタール以外でも検出されているため石灰散布を決めた。

 対象は25農家。ナトリウムの検出値やコメや大豆など次期作の違いで散布量は異なり、10アール当たり100キロか200キロになる。海水流入の原因となった水門点検を実施した国土交通省武雄河川事務所は、相談窓口を設置し、補償や現場作業の対策班を設けることを説明した。今後の対応は同事務所が中心になる。

 農家への説明は非公開で行われた。参加した農家は「刈り取り間近の麦への影響は見た目では分からない。次につくるコメと大豆だが、土壌改良する時間があるかどうか。大麦の収量と次期作への影響など心配」とし、別の農家も「石灰はどれほどの効果があるのか」と不安をにじませた。

 海水は4月20日、国の委託を受けて鳴江水門を点検した業者が水門を完全に閉めなかったため、周辺の水路に流入した。水路の水質は作物栽培に影響がない数値に下がっている。(小野靖久)