佐賀市大和町に完成した尼寺第2雨水調整池。3万3千トンの貯留が可能になる

 昨年8月の記録的な大雨で、2019年の佐賀豪雨に続いて中心街で内水氾濫が起きた佐賀市は、排水能力と貯留能力を強化し、浸水情報をウェブで発信する取り組みなど被害軽減策を進めている。梅雨入りを前に、ハード、ソフト両面で備えを強化している。

 「ためる」観点では2月、佐賀市大和町に「尼寺第2雨水調整池」の整備が完了した。貯留容量は3万3千トン、25メートルプールに換算すると60杯分以上となる。

 既存施設である佐賀城公園のお堀を有効活用する取り組みも強化する。大雨が予想される場合に事前に排水し貯留量を増やす。関係団体の協力を得ながらこれまでに3回試行しており、6月から、本格運用する。

 田んぼダムの取り組みも始める。田んぼの排水口に調整板を設置し大雨時に水の流出を抑制することで、田んぼがダムのような役割を果たす。兵庫、巨勢の200ヘクタール(目標)のうち、これまでに183ヘクタール分の同意を得た。農村環境課によると「最大18万3千トンの貯留が見込まれる」という。

 当初計画から2年遅れて工事が完了したのは、新村愛敬水路(大財)の狭い水路幅と高さを改修する工事。水を流す能力が最大約14倍になり、佐賀駅周辺の浸水被害軽減が期待される。

 適切なタイミングでの避難行動も欠かせない。4月下旬に、市のウェブサイトで市内の浸水状況をリアルタイムで発信する仕組みも設けた。市内29の浸水常襲地区で自動計測したデータを基にウェブサイトの地図上に表示する。河川砂防課は「浸水状況を視覚的に把握できる。迅速な避難行動につなげてほしい」と活用を呼び掛ける。

 坂井英隆市長は「ハード整備も着々と進めているが、地元自治会や消防団をはじめ関係者の協力、連携も重要。市民の方にも分かりやすい情報提供を行い、安心につなげていきたい」と話す。(川﨑久美子)

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