電柱の先端に枝を運び入れ巣を作るコウノトリ=10日午後3時半ごろ、杵島郡白石町内

巣の上に立つコウノトリのつがい(読者提供)

 野生で絶滅の危険性が極めて高いとされるコウノトリが、杵島郡白石町内の電柱で巣を作り、交配しているのが10日までに確認された。コウノトリの営巣や繁殖が県内で確認されるのはまれで、日本野鳥の会佐賀県支部が電柱の管理会社に働きかけた結果、ひなの巣立ちまで巣の除去などをしないことに決まった。10~16日の愛鳥週間に合わせ、子育てを見守る温かいまなざしが広がっている。

 巣があるのは高さ10メートルほどの電柱の先端。同県支部が10日、九州電力送配電の武雄配電所に働きかけた結果、ひなの巣立ちまではそのまま見守ると理解を得た。同配電所によると、営巣場所は感電の危険が少なく、送電を止める必要はないと判断したという。

 コウノトリの個体維持に取り組む兵庫県立コウノトリの郷公園によると、樹上のほか鉄塔など高い場所に巣を作り、春に産卵、ふ化、ひなは7~8月に巣立つ。日本の野外に生息するコウノトリは240羽余りで、環境省のレッドリストでは絶滅危惧1A類。かつては全国で確認されたが、農薬などの影響で減少し、1971年には国内の野生では絶滅した。同県豊岡市では50年代から保護に取り組み、85年には旧ソ連のハバロフスク地方から6羽の幼鳥をもらい受け、89年、人工繁殖に成功した。

 同支部の宮原明幸支部長(68)から、佐賀新聞「こちら さがS編集局」(こちさが)に情報提供があった。県内でも近年、たびたび目撃され、現地周辺でも1月ごろから見られていた情報がある一方で、営巣が確認されるのは珍しいという。9日には交尾する様子も見られたといい、宮原支部長は「観察する場合は、ストレスを与えないよう離れて見守って。農地なので、農家の邪魔にもならないよう配慮を」と呼び掛けている。(志垣直哉)

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