総修復作業が進む1番曳山「赤獅子」と職人の表雄一郎さん=唐津市北城内の西ノ門館

 唐津くんちの1番曳山(やま)「赤獅子」(刀町)の総修復・塗り替えが、唐津市北城内の修理庫「曳山の蔵」(西ノ門館)で進んでいる。1819(文政2)年の創建当初の姿に戻そうと、職人が精を出している。

 修復は33年ぶりで、総事業費は約4千万円。国、県、市が補助し、刀町も負担している。昨年11月、2年ぶりに行われた曳山(ひきやま)巡行の後、修理庫に入り、傷み具合などを確認する調査は約3カ月に及んだ。

 本体の内部の傷みが特に激しかった。全ての和紙を剝ぎ取り、名尾和紙を貼り重ねていく作業を行う。外部は前回の塗膜を研ぎ、下地を成形しながら漆を塗る「中塗り」の段階に入っている。9月末の完成を目指す。

 町内での協議などで、創建当初の姿に戻す方針を決めた。漆の塗膜の最下層まで調べると、当初の顔料が見つかった。6年前の14番曳山「七宝丸」、4年前の7番曳山「飛龍」の修復も担った小西美術工藝社(東京)の表雄一郎さん(44)は「『朱といえばこれしかなかった』という昔ながらの色になる」と話す。

 赤獅子は曳山14台のうち最も古く、2019年に創建200年を迎えた歴史を誇る。刀町の美麻隆志正取締(46)は「当初の姿にという思いは町内の総意。未来につながる修復にしたい」と意気込む。

 修復の様子は見学できる(月曜休館)。入場無料で、午前9時から午後5時まで。(松岡蒼大)