保存修復落成を記念してお披露目巡行を行う唐津くんちの13番曳山「鯱」=1日午後1時半過ぎ、唐津市のアルピノ前(撮影・山田宏一郎)

修復を終えた披露巡行で町を駆ける水主町の13番曳山「鯱」。祝福する横断幕を掲げる姿も=唐津市中町

 保存修復を2020年9月に終えた唐津くんちの13番曳山(やま)「鯱(しゃち)」(水主町)の披露巡行が1日、唐津市水主町などで行われた。新型コロナウイルス拡大の影響で修復後から2年越しに実現した“晴れ舞台”。関係者は感謝の思いを込めて巡行し、青空の下、輝く鯱の姿を地元住民らが見守った。

 21年の唐津くんちでは各町の曳山とともに巡行したが、披露巡行は新型コロナウイルスや雨天の影響で7回延期になっていた。今回はマスク着用や抗原検査を受けるなどの感染症対策を取り、曳き子約110人が参加した。お囃子(はやし)を奏でながら、「エンヤ」の掛け声で水主町周辺を巡り、氏神を祭る大石大神社による神事を終えた。街中では地域住民や曳山関係者が「おめでとう」とメッセージを掲げるなど、お祝いムードで曳山を見守った。

 宮島醤油を経営する東町の宮島家なども通った。1930(昭和5)年の新造時に宮島家から多大な援助を受けたり、瓦屋で当時東町にあった中島家が鯱の原形を無償で作ったことから感謝の思いで巡っている。

 保存修復実行委員会の古瀬俊明委員長(69)は「たくさんの方々の力添えで終えられた。ほっとしている」と振り返り、正取締の前川源明さん(50)は「昨年のくんちは観覧自粛の呼び掛けもあり、純粋な地元でのお披露目やご恩のあるお家への巡行ができていなかった。里帰りをさせてあげられてうれしい限り」と笑顔だった。(横田千晶)