政府が世界最高の研究水準を目指す大学を支援するために設けた10兆円規模の大学ファンド(基金)に関し、東北、東京農工、名古屋、大阪の4大学が申請する意向であることが30日、国立大学を対象とした共同通信の調査で分かった。東京大や京都大など27校は申請するかどうか「検討中」と回答した。

 政府は科学技術立国の実現に向けファンドを設置。助成対象となる大学の公募を2022年度中に始める。詳細な選定基準が今後示される見通しで、申請方針を示す大学が増える可能性がある。一方、支援対象となるためのハードルが高いことから、地方や教員養成系の大学ではファンドの活用を見送る方針を示したところが多い。一部の有力大が優遇されるのではないかと懸念が出ており、対象とならない大学への支援策の充実を求める声も上がった。

 10兆円ファンドは、研究開発や資金力で群を抜く米英の大学に並ぶ経営を目指す国公私立の数校を「国際卓越研究大学」と認定し、1校当たり年間数百億円の資金を拠出する。ファンドは既に設置され、24年度にも支援を開始。関連法案の審議が今国会で進んでいる。

 申請意向を示した東北大は「大学に対する社会的期待を実現するための環境が(ファンドにより)整備される」とした。名古屋大は「世界トップレベルの研究大学を目指すため」ファンドからの助成を受けたいという。

 大阪大は、世界の有力大にひけをとらない大学を目指すことが「わが国における高等教育のさらなる発展に資する」と強調。今後、申請するかどうか最終判断する。東京農工大は国際卓越研究大にふさわしいと考える理由を「自己財源による新事業の創出を図っている」などと説明した。

 「検討中」とした神戸大は「最終的な制度設計が明確になっていない」として判断を留保。富山大は「高度な取り組みが求められており、非常に(認定の)ハードルが高い」と指摘した。

 申請を見送る意向を示したのは42校。宮崎大は一部の大学のみを支援するファンドに関し「地域の大学の弱体化が進む恐れがある」と懸念を表明。鳴門教育大(徳島)は「(国際卓越研究大以外の)各大学の多様性を認め、ご支援いただきたい」と訴えた。

 調査は大学院大学を除く全国の82国立大を対象に実施、国際卓越研究大への認定申請の意向を聞いた。3月以降、4月25日までに73校から回答を得た。【共同】