西村雄一郎さんの新刊「君は『七人の侍』を見たか?」書影

 佐賀新聞で「西村雄一郎のシネマトーク」を連載している映画評論家の西村雄一郎さん(70)=佐賀市=が、新刊「君は『七人の侍』を見たか?」(ヒカルランド、2200円)を発売した。新聞連載の反響から着想を得て、佐賀大学の学生の感想も織り交ぜながらコロナ禍に勇気を与える黒澤映画の魅力を語る。

 西村さんは2020年4月3日付の本紙連載で「名作に学ぶリーダー論」と題して、黒澤明監督の映画「七人の侍」(1954年)に見るリーダー像を語った。その反響が大きかったことから「これをモチーフに1冊書けないか」と思い立ったという。

 西村さんは「コロナ禍に勇気を与えてくれる同作を多くの若者に見てもらいたい」と、佐賀大学で担当している講義で上映して学生からリポートを集めた。同書では「ラストに違和感を覚えた」「衝撃と発見を得た」など、現代の若者らしい視点や反応も紹介している。

 「羅生門」(50年)や「生きる」(52年)など、コロナ禍で疲弊している人たち薦めたい10本も取り上げた。映画やドラマなどのリメーク作品と本作を比較することで、黒澤監督の偉大さや映画の特徴を浮かび上がらせる。巻末には入門編として「黒澤監督キーワード辞典」を収録し、雨や馬など黒澤映画の重要なモチーフについて解説した。

 西村さんは「初心者にも黒澤監督の素晴らしさが伝わる一冊。黒澤映画という文化遺産をぜひ生かしてほしい」と話した。(花木芙美)