今季のサガン鳥栖の戦いぶりなどについて語るJリーグの野々村芳和チェアマン=鳥栖市の駅前不動産スタジアム

 今年3月にJリーグのチェアマンに就任した野々村芳和氏が23日、鳥栖市の駅前不動産スタジアムを訪れた。就任からこれまでの思いや、リーグ戦で上々のスタートを切ったサガン鳥栖について、野々村氏に聞いた。(聞き手、構成・小部亮介、中村健人)

 ■就任から約1カ月が経過した。どんな思いを抱いているか。

 (Jリーグが開幕した)30年前より確実に良くなっている。もっと良くしていかないといけない。今58クラブあるが、それぞれの地域にあった伸び方が絶対にある。「みんなで一緒に伸びていこう」ではなく、それぞれのエリアにあった施策をリーグがどうサポートするかが大事になる。

 ■鳥栖は人口が多くない地方クラブだが10年連続でJ1に残留した。

 札幌で社長を経験したので、経営のサイズや売り上げの規模が大きくならないと、勝つこともJ1に居続けることも難しいと分かる。その中で10年残っているのは素直にすごい。僕の中でサッカーはピッチ上でのクオリティとスタジアムのスペック、サポーターがつくる熱量を含めて作品。鳥栖はその作品がいい。

 ピッチ上のクオリティはJ1のトップクラスにはまだ足りないかもしれないが、それを埋めるだけのサポーターや地域の人の熱量があるからこそ、J1で続けられている。昨年、一昨年と下(下部組織)から上がってきた若い選手がいいパフォーマンスを見せ、移籍してお金を残してという好循環。今年をどう戦うかは現場の腕の見せどころ。

 ■今季の鳥栖はリーグ戦2勝6分け1敗。上々の滑り出しに思える。

 走行距離もスプリントの回数もJ1で1番。30メートルの侵入回数もポゼッションも上位。何となく成績が残っているというより、鳥栖らしい特長を出せている。

 ■佐賀県のサッカーファンにメッセージを。

 サガン鳥栖のJ1での奮闘を多くの人が楽しみにしている。地域の人と連携したり、地域創生の役割の一部を担ってもおり、勝ち負けではないサッカーの価値を分かってもらえる瞬間もある。サッカーにはたくさんの楽しみ方がある。ぜひ気に掛けてほしい。