分かりづらい文章の代表のようにいわれる役所の文書。行政機関の取材でわざとではないかと、疑ってしまうほど堅い文章を目にした経験もある。そんな公用文が変わっていくのだろうか◆文化審議会は今年初めに「公用文作成の考え方」をまとめた。SNSによる広報などを含め、一般の人に向けた情報発信にも対応するための手引書で、政府は各省庁などに文書作成に当たって活用するように周知している◆「読み手に伝わる公用文作成の条件」として3点を挙げている。(1)正確に書く(2)分かりやすく書く(3)気持ちに配慮して書く。どれも当たり前ではあるが、これがなかなか難しい。独りよがりな文章になっているのに、自分では気づかない。改めて指摘されると耳が痛い◆具体的な注意点も並んでいる。「利用することができる」は「利用できる」、「調査を実施した」は「調査した」と回りくどい表現はしない。アジェンダは「議題」、インタラクティブは「双方向的」と言い換えるなど、公務員ではなくても文章を書く上で参考になる◆記事の場合は分かりやすさだけでなく、面白さも必要で、伝える努力に際限はない。あす6日から「春の新聞週間」が始まる。役所の文書がどう変わるのか注目しながら、こちらも気を引き締めたい。分かりづらい文章の代表といわれないように。(知)

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