交通安全教育機器でVR歩行環境シュミレーターを体験する松岡蒼大記者=佐賀市の佐賀県警本部

 春の交通安全県民運動(6日から)を前に、VR(仮想現実)歩行環境シミュレーターなどを活用した交通安全教室の体験会が報道機関の記者を対象に開かれた。ゴーグル型の端末を装着し、“リアル”さながらに事故につながる「ヒヤリ・ハット」の危険を体感した。(松岡蒼大)

 “佐賀弁”を駆使して警察官が地域住民に講話するイメージの交通教室にも最先端技術が取り入れられていた。シミュレーターは三つの画面上に道路などの街並みを再現する。前方のセンサーが認知する端末装着者の骨格の動きが映像に反映される仕組みで、道路を歩いているような感覚になった。

 信号機のない横断歩道を渡るという設定で実践した。手を上げ、ドライバーと目が合うと車が止まった。横断していると、路肩と車の間からバイクがすり抜けてきた。「危ない」。ぶつかりそうになって思わず体がのけ反った。周囲の状況を常に確認して歩くことの大切さを実感した。道路の形状や天候、昼夜などさまざまな条件を設定できるという。

 運転者の危険感受性を高める「動画危険予測トレーニング(KYT)」も体験した。“現実世界”と同様に、対象は運転免許保持者に限られる。実際の交通状況を再現した動画を見ながら、危険を感じた場面で手に持ったボタンを押す。終了後に記録したデータを一覧化し、危険箇所の見落としがなかったかを確認できる。他の参加者より極端に見落としが多く、結果を見てあぜんとした。

 体験会は佐賀市の佐賀県警本部で開かれた。県警は二つの機器を2019年に導入した。主に老人クラブや公民館などで使用し、21年までにVR歩行環境シミュレーターは延べ60カ所、KYTは延べ91カ所で活用した。県警交通企画課は「講話と体験のセットで効果が高まる。企業の研修などでも活用してほしい」と呼び掛けている。問い合わせは県警交通企画課、0952(24)1111。