東京で初となる個展を開いた冨永ボンドさん=東京・神宮前のクロマチックギャラリー

 木工用ボンドで絵を描く多久市の画家冨永ボンドさん(39)が3日まで、東京・神宮前のギャラリーで個展を開いている。新型コロナウイルス感染症の流行を受け、創作活動をライブ配信したことが縁を結び、東京での初個展につながった。冨永さんは「『バーチャル』と『リアル』を接着できた」と語り、初日の2日は初対面のファンから「やっと会えましたね」と声を掛けられていた。

 冨永さんはアクリル絵の具と木工用ボンドを画材に、独自の色彩感覚で描く抽象的な絵画で注目される。絵を描くところを見せるライブペインティングも表現手段だったものの、感染症流行でイベントの中止が相次いだ。そこでライブ配信で創作活動を披露したり、視聴者とのコミュニケーションを取ったりしてきて、新たなファンを得た。

 個展では、これまで描きためた絵画約100点を展示する。抽象的な画風だが、モチーフはすべて「人間」。顔や指、感情などを冨永さんらしい色彩で表現している。

 イラスト作家のKRAP(クラップ)さんとの合同イベント。両者は、同じライブ配信サービスで活動していたことで知り合い、共同個展の企画につながった。

 冨永さんは「表現を通じて人と人をくっつけたいと思っている。配信での活動が、このようなリアルの場につながったことはうれしい。今回の個展をリアルでの活動のきっかけにしたい」と話す。(山口貴由)