大潮の最終日の午前3時ごろ、鹿島川の江湖(ごうこ)をヤマノカミ(スズキ目カジカ科に属する魚の一種)の調査に向かう水産大学校(山口県下関市)の竹下直彦教授を乗せた漁船が、闇の中をゆっくりとサーチライトを照らしながら進む。