3歳になるBちゃんは生後8カ月の時、ヨーグルトを一口食べたあと口のまわりがみるみるうちに赤くなり、両親と救急センターに駆け込んだ病歴があります。幸い、症状はそれ以上進行せず、飲み薬を処方してもらって帰宅しました。その際に調べた血液検査でミルクアレルギーと診断され、それ以降乳製品を一切口にしていませんでした。

 今回、こども園に入園するにあたり、「アレルギー疾患管理指導表を提出して」といわれて受診されました。2015年12月にアレルギー対策基本法が施行されて以降、学校やこども園では指導表にしたがって給食やおやつをどうするかを決めるようになっています。乳幼児期に特定の食品を除去しているこどもはおおよそ3つのカテゴリーに分かれます。

 まず、(1)Bちゃんのように明らかなアレルギー症状の既往がある子、(2)症状は出たことはないけれど、たまたま血液検査をして血液中のアレルギー抗体が陽性だったため、食べない方がよいといわれてそのまま除去している子、(3)両親をはじめ家族内にアレルギー疾患に罹患(りかん)している方が多いために、最初から鶏卵や牛乳を除去している子などです。さすがに(3)のような子は少なくなりました。

 さて、Bちゃんをどうするかです。まず、血液中のミルクに対するアレルギー抗体価の再検査と皮膚のアレルギー検査(スキンプリックテストといいます)をおこないました。皮膚テストも血液検査も陽性でした。このような場合乳製品を食べると、最初の時のような症状を起こす可能性を否定できません。ただし最初のエピソードからは2年以上経過をしていますので、ミルクの負荷試験をすることにしました。

 日頃はミルク抜きで作っているパンケーキにミルクを混ぜて作成し、少量摂取から開始し、症状が出ないかどうか注意深く観察しながら摂取量を増やしていきます。Bちゃんはミルク10ml相当分の摂取でじんましんが出現しました。 そこで「食物アレルギーがあっても症状なしで摂取できる量までは食べる」という原則に従い、2.5ml分の乳たんぱくを含む食品から摂取開始することにしました。しかし、家庭で負荷を試みたり、自分で適当に摂取量を決めるのは危険をともないます。必ず、小児アレルギーの専門医にご相談ください。

*佐賀県内でも佐賀整肢学園こども発達医療センターをはじめいくつかの小児医療機関で食物負荷試験を実施しています

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