スーパーモリナガ南佐賀店のベーカリーコーナー。価格を据え置く商品もあれば、値上げした商品もあり、輸入小麦が値上がりする4月以降の対応に頭を痛める

 農林水産省が、輸入した小麦を製粉会社に売り渡す4月期(4~9月)の平均価格を、前期比17・3%引き上げると発表した。昨年10月に続く値上げに、佐賀県内でパンなどを売る店や製麺業者から「企業努力にも限界がある」などと苦悩の声が上がっている。物流や資材のコストも利益を圧迫する中、商品の値上げに踏み切ったり、今後の価格転嫁を検討する事業者も出ている。

 スーパーモリナガ南佐賀店(佐賀市南佐賀)のベーカリーコーナー。108円パンなど価格を据え置く商品もある中、エビカツやフライドチキンを挟んだ人気のバーガーは2月から20円ほど値上げして162円で販売している。

 担当者は、小麦や油などの原材料だけでなく物流費や包装紙のコストも上がっていることから「企業努力を続けているが厳しい部分もある」といい、「できる限り安く提供できるよう工夫を続けたい」と話す。

 県製粉製麺事業協同組合の古賀義治理事長は「昨年秋に19%引き上げられ、さらに17・3%のアップ。これまで値上げしていなかったところも価格転嫁しなければやっていけなくなるのでは」と案じる。

 自社でもそうめんやラーメン、うどんめんなどを製造しているが「長期保存ができるそうめんは値上げ前に仕入れて作っておくことができる。ただ生めんはそうもいかない」と話し、値上げの検討を始めている。

 ただ、コロナ禍で小売店での販売が以前より低調になっているだけに「値上げすれば、買い控えが心配」と悩ましさを隠さない。

 理研農産化工(本店・佐賀市)は、業務用小麦粉などについて「値上げせざるを得ないだろう。(政府売り渡し価格の)上がり方が大きい」と話す。同社は昨年6月と12月にも政府売り渡し価格の引き上げに伴い、業務用強力粉などで25キロ当たり計400円以上の値上げに踏み切っている。

 4月の価格変動分は例年、6月中旬以降に反映させており、時期や値上げ幅などはこれから計算して検討するという。今後の輸入小麦の価格についても「ウクライナ侵攻の影響がどうなるか、懸念している」と話す。(北島郁男、志波知佳、梶原幸司)