リーグ戦・トヨタ紡織九州-北陸電力 後半終了間際、シュートを狙う相手に食らいつくトヨタ紡織九州の選手たち=昨年11月23日、吉野ヶ里町文化体育館

 第46回日本ハンドボールリーグ男子のトヨタ紡織九州レッドトルネード(神埼市)が、今季の全日程を終了した。通算成績は11勝1分け8敗(勝ち点23)の5位。岩本真典新監督の下、タイトル獲得に向け、持久力強化と多彩な守備システムで堅守速攻に磨きをかけたが、上位陣に対してわずか1勝と、実力の差を見せつけられるシーズンとなった。

 11チームが2回戦総当たり(全20試合)で争った。昨季に比べてコロナ感染症拡大の影響が大きく、試合日程は何度も変更され、調整能力も試された。トヨタ紡織九州の開幕試合は約2週間遅れたが、開幕試合は白星スタート。ところが直後に3連敗。序盤のつまづきが、最後まで尾を引く結果となった。終盤まで上位4チームによるプレーオフ(PO)圏内に残ったが、地力に勝る上位陣に突き放された。

 「継続することの難しさを感じるシーズンだった」と荒川蔵人主将。象徴的だったのは、大きく差を広げた後の大量失点だった。慢心から失点後の守備が甘くなり、守勢に回る展開が目立った。5点差から追い付かれたり、1点差まで詰め寄られたりした試合は、全20試合の4分の1に上った。

 選手層の薄さも露呈した。韓国人選手が2人抜け、日本人だけの18人。外国人や日本代表を擁する相手に組織で対抗すべく、持久力を鍛え、連係の精度も磨いてきたが、平均2日に一度のハードな日程には対応できず、次第に連係が機能しなくなった。

 特に攻撃のバランスが悪く、左利きのRBは三重樹弥、RWは荒川のみで、負担も大きかった。ベンチ入りは16人で控えは2人だけ。チーム内の競争意識は低く、練習時の危機感や緊張感に緩みが出た。

 一方、昨季から勝ち数は2、順位は1つ伸ばした。守備ではカットインを仕掛ける相手を外にはじき、プレッシャーをかけるアグレッシブな守備を土台とした。前に1人を出す5―1やロングシュートを防ぎ、攻撃を限定させる3―2―1などシステムを充実させ、得意の速攻につなげた。総失点は昨季から12点減り、総得点は22点増えた。

 個人タイトルこそ獲得できなかったが、第12週にLW梅本貴朗、第22週にRW荒川がリーグ通算400得点、第14週にGK岩下祐太がフィールドシュート1600阻止を達成するなど、ベテラン勢が刺激を与えた。

 強豪・大崎電気(埼玉県)から15季ぶりに1勝を挙げたが、上位への勝利はその1勝だけで、昨季と同じく下位に足をすくわれた。「試合に臨む自覚と責任が全くもって足りない。一から鍛え直す」と岩本監督。来季のリーグ制覇に向け、各自の技術向上だけでなく、意識改革が強く求められる。(西浦福紗)