降り続いた雨が風景を一変させた。2021年8月14日、武雄市朝日町のJR佐世保線・高橋駅周辺。「一帯は道路も線路も茶色く濁った水に漬かっていた。自宅の周りも冠水し、車を動かすこともできなかった」。近所に住む馬場良平さん(72)は15日の夕刻まで水が引かず、途方に暮れた夏を思い出す。
11日からの記録的な大雨は内水氾濫を引き起こし、市内の北方駅、杵島郡大町町の大町駅にも被害を及ぼし、信号機器室も浸水した。北方駅では13日午後、博多発佐世保行きの4両編成の特急みどりが水位計の上昇で緊急停止し、乗客約50人が代わりのバスで移動した。駅で待機した特急は14日にかけ、線路から1・6メートルの高さまで浸水した。