「こんこん小山の子うさぎは」―。放送中の人気アニメ「鬼滅の刃」遊郭編第7話で、主人公の竈門炭治郎(かまど・たんじろう)が妹・禰豆子(ねずこ)に歌って聴かせた子守歌が「佐賀の子守歌らしい」と、インターネット上で話題になっている。周辺に尋ねても知る人は少ないが、本当に佐賀の子守歌なのか。検証した。

「小山の子うさぎ」が載っている「佐賀のわらべうた」

 話題の子守歌は、物語の冒頭で鬼に殺された母・葵枝(きえ)が、かつて禰豆子らに歌い聴かせていたものとして登場する。自我を失いかけた禰豆子を静めようと、窮地で炭治郎が歌う場面があり、原作の漫画では2018年に発売された第10巻に描かれている。

 ▽ユーチューブから

 「佐賀の子守歌らしい」とする投稿の多くが引用しているのは、NPO法人日本子守唄協会(現・日本ららばい協会)が16年、ユーチューブに投稿した動画。佐賀の子守歌として「小山の子うさぎ」を歌ったものだ。公開後、くだんの場面が漫画に描かれると、動画を見つけたファンの間で「実在する歌だったのか」と広まり、竈門家のルーツなどにも憶測を広げるきっかけになった。

〈こんこん小山の 小うさぎは/なぜにお耳が 長うござる/小さい時に母様(かあさま)が/長い木の葉を 食べたゆえ/それでお耳が 長うござる

 こんこん小山の 小うさぎは/なぜにお目目が 赤うござる/小さい時に母様が/赤い木の実を 食べたゆえ/それでお目目が 赤うござる〉

 北原白秋が1918(大正7)年に発表した「赤い鳥小鳥」にも通じる歌詞がほほえましい。ただアニメの歌と同協会の動画を比較すると、メロディーはやや異なるようだ。

 地域で異なる詞