初の選抜高校野球大会出場が決まり、ジャンプして喜ぶ上原風雅主将(手前中央)ら有田工の部員たち=28日午後4時すぎ、西松浦郡有田町の同校(撮影・山田宏一郎)

 昨秋の佐賀県大会は、主戦塚本侑弥を軸に堅守で接戦を制し、60年ぶりの九州大会出場を果たした。県大会の3回戦は七回に伊万里を逆転し、準決勝では八回に鹿島に勝ち越すなど、終盤に粘り強さを発揮した。

 九州大会でも堅い守りと粘り強さで快進撃を見せた。制球力が持ち味の塚本は、120キロ後半の直球とスライダーを内外角に投げ分け、秀岳館、海星を完封。準決勝で大島(鹿児島)に9安打を浴びたが、計24イニングを投げ、防御率2・63をマークした。

 主将で捕手の上原風雅は、打者の特徴や走者の動きを踏まえたリードで塚本の良さを引き出し、精神的主柱として常に声を出してナインを鼓舞。山口洸生、松尾脩汰の二遊間は、海星戦で2度の併殺を決めるなど、野手陣は準々決勝までの2試合で1失策と、安定した守りでマウンドをもり立てた。

 チーム打率は2割6分5厘と決して高くはないが、低く強い打球を放ち、終盤の好機を作り上げた。5番土谷凱生(かい)は小技を絡めて得点機を広げ、海星戦では2打点の活躍。4番角田貴弘は打率6割2分5厘と奮起し、相手にプレッシャーを与えた。

 部員は28人。夜間照明や屋根付きブルペンなど、県立校の中でも充実した環境の下、練習は午後4時頃から始まり、自主練習をしてグラウンドを後にするのが午後9時という日も多い。じっくりと課題に向き合うことができ、冬場は体幹の強化に加え、センバツを見据えて実戦練習を増やした。走塁やバントなど、九州大会で見えた課題の克服に励んでいる。(草野杏実)

有田工業高 1900年に県立工業学校有田分校として創立。48年に学制改革により現校名となった。2001年からデザイン科、セラミック科、機械科、電気科の4科となった。

 野球部は創立と同時に発足。2013年夏に古川侑利投手(北海道日本ハムファイターズ)を擁し、甲子園初出場を果たした。

 その他OBには、陶芸家の十三代酒井田柿右衛門さん、青木龍山さん、十三代今泉今右衛門さんや東京五輪・パラリンピックの聖火トーチをデザインした吉岡徳仁さんらがいる。全日制の生徒数は495人。定時制もある。西松浦郡有田町桑古場。

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