「育休取得を考えている同僚や後輩の背中を押したい」と話す土田英之さん(右)と牛島省吾さん=佐賀市役所

 佐賀市の男性職員の育休取得率が伸びている。2020年度は37・1%で、16年度の11・8%と比べて3倍以上になった。「市職員子育て支援マニュアル」を改定し、対象者の把握から取得計画の作成などフロー図を追加したことがきっかけという。育休取得の不安を軽減し、ハードルが低くなるような仕組みを取り入れたことが奏功し、21年度は40%を突破する見込みになっている。

 06年からマニュアルはあったが、取得率が伸び悩んでいたため、20年10月に改定した。ポイントは、職場の所属長が取得に関与するようにしたこと。「子どもが生まれる3~5カ月前に所属長にその予定を知らせる」「所属長は必要に応じ代替職員の検討を行う」ことなどをフロー図に示した。取得予定の職員は、所属長と面談や相談を行う。

 「育休取得が漠然としたものではなく、具体的な動きに変わった」と人事課。取得意向がない場合は、本人に理由を確認することも加えた。20年度時点で、市特定事業主行動計画の目標値20%以上(25年度)を大きく上回った。

 財政課の土田英之さん(37)は昨年5月、長女(第2子)の出産に合わせて約3週間取得した。長男が2歳違いで「まだまだ手がかかる時期。取れる環境があればと思っていた」と話す。同課で6年目。仕事の流れが把握できていたこと、出産が繁忙期と重ならなかったことも大きかったという。

 フロー図には所属長、人事課が行うことが具体的に整理されている。財政課長の牛島省吾さん(51)は「部署任せにせず組織として取り組むためのフロー図で、『育休取得は普通のこと』とのメッセージになっていると思う」と話す。

 時間単位での育休を取得中の坂井英隆市長は昨年12月、「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」(事務局・内閣府)に参加した。女性の活躍に向けた社会的機運の醸成に力を入れる姿勢をトップとして示している。

 市人事課は「想像以上に順調」との認識を示し、今後については「繰り返し支援制度に触れることで、スキームを定着させることに注力したい」としている。(川﨑久美子)