外来医療の逼迫が想定される場合の対応

 後藤茂之厚生労働相は24日、新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」急拡大を受け、若年層で症状が軽く、重症化リスクが低い感染者は、医療機関を受診しなくても自宅療養の開始を認める方針を発表した。自身でウイルス検査を行い、結果を行政側に連絡する。患者急増により外来医療の逼迫(ひっぱく)が想定される地域が対象で、40歳未満で基礎疾患がなく、ワクチン2回接種済みの人らを想定している。実際に運用するかどうかは自治体が判断する。

 新型コロナでは「医療機関の受診」が原則だったが、オミクロン株の特性に合わせた方針転換。医療機関や保健所の負担を軽減するのが狙いだ。検査結果の報告は医師がおり、自宅療養者の健康観察を担う自治体の健康フォローアップセンターなどが受ける。検査キットの確保や、自宅療養者の症状悪化を迅速に把握し、入院などができる体制を整えられるかが課題となる。

 新たな方針は、保健所業務などが過大となっている自治体の声や、政府の基本的対処方針分科会の尾身茂会長ら専門家有志の提言を踏まえた。重症化リスクが低い人が受診を希望した場合について、厚労省の担当者は「(受診を)妨げない」とした。

 また医療機関で診療や検査を受けるのに一定の時間がかかる場合には、発熱などの症状があっても、重症化リスクが低い人に限り、自らキットで検査をしてから受診するよう呼び掛けることも認める。

 このほか感染者の濃厚接触者となった同居家族に症状がある場合は、医師の判断により、検査をしなくても症状によって感染したかどうかの診断を可能とする。

 政府に対策を助言する専門家組織メンバーらは21日、重症化リスクの低い人について「必ずしも医療機関を受診せず、自宅での療養を可能とすることもあり得る」との提言を公表。ただ医療関係者らからは、検査の拡充や医療を受ける権利と相反するのではないかとの批判も上がっていた。

 検査や医療体制の負担軽減を巡り、沖縄、神奈川両県は患者自身が検査キットを活用して陽性者と登録したり、医療機関による確定検査を省略したりすることを検討していた。【共同】