オブザーバー参加を伝達した国

 【ニューヨーク共同=黒崎正也】3月にオーストリア・ウィーンで開催予定の核兵器禁止条約の第1回締約国会議を巡り、オブザーバー参加の意向を正式に国連に伝えた国が10カ国に上ることが21日、分かった。関係筋が明らかにした。条約発効から22日で1年。核軍縮停滞の中、「核なき世界」の理念を共有する国々の輪は拡大している。

 核兵器の開発から使用までを全面禁止する同条約をこれまでに批准したのは59カ国・地域。発効に必要な50カ国・地域に達した後も積み上がり、昨年はフィリピンやカンボジアなどが新たに参加。批准の前段階に当たる署名は86カ国・地域(批准国含む)が終えた。

 締約国会議へのオブザーバー参加の意向を既に伝達したのは、ブラジルやスウェーデン、フィンランド、インドネシアなど。北大西洋条約機構(NATO)加盟国のドイツとノルウェーはまだ正式に伝達はしていないものの、参加の方針は表明しており、最終的には十数カ国がオブザーバーとなる見通しだ。

 米国の「核の傘」に依存する日本は核禁止条約に不参加。ただ、唯一の戦争被爆国として被爆者団体などからは会議へのオブザーバー参加を求める声が高まっており、動向が注目される。

 一方、米国やロシアなど核保有国は条約に反対の姿勢を堅持。参加国の上積みを働き掛ける「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)や批准国との間のせめぎ合いも激化している。

 国連のグテレス事務総長は報道官を通じた声明で、条約批准が続いていることを歓迎。「核兵器廃絶に向け、各国に引き続き断固とした行動を求めていく」と強調した。核禁止条約は2017年7月、国連で122カ国・地域の賛成で採択、昨年1月に発効した。