2022年度の年金額と保険料

 厚生労働省は21日、2022年度の公的年金額を0・4%引き下げると発表した。改定の指標である賃金が新型コロナウイルス禍の影響などで下がったため。マイナスは2年連続で、近年では14年度の0・7%減に次ぐ水準となる。6月に受け取る4月分から反映される。

 原油高や円安に伴って最近の物価は上昇傾向にあり、高齢者の生活は厳しくなりそうだ。改定の仕組み上、コロナ禍による賃金下落は24年度の改定まで押し下げ要因として残るため、影響は長期化する可能性もある。

 国民年金の支給額は、40年間保険料を納めた場合の満額で月6万4816円(21年度比259円減)になる。厚生年金については、平均的な給与で40年間会社員だった夫と専業主婦のモデル世帯で月21万9593円(同903円減)。

 22年度の国民年金の保険料は21年度より20円下がり、月1万6590円。厚生年金の保険料率は18・3%(労使折半)で変わらない。

 年金制度は現役世代から高齢者への「仕送り方式」のため、暮らしに影響する物価だけでなく、現役の賃金変動も考慮して毎年度改定される。今回の場合、指標となる18~20年度の賃金変動率がマイナス0・4%だった。コロナ禍の影響を受けた20年度の賃金下落は、今後2回の改定でも反映される。

 物価は直近では上昇基調にあるが、改定の指標となるのは前年分。総務省が21日に公表した21年の全国消費者物価指数(生鮮食品を含む)は前年比マイナス0・2%だった。21年度から賃金の下落を重視するルールが導入されたため、0・4%の引き下げとなった。

 公的年金には、少子高齢化に対応するため、賃金と物価の上昇幅より支給額の伸びを低く抑える「マクロ経済スライド」という仕組みもあるが、物価と賃金が下がった今回は発動されない。