岸田文雄首相は21日の参院本会議の代表質問で、新型コロナウイルスの国産ワクチンの開発・生産を強化する考えを示した。「産学官の実用化研究を集中的に支援し、世界トップレベルの研究開発拠点の形成、ワクチン製造拠点の整備に取り組む」と語った。脱炭素社会を実現するため、原子力の小型モジュール炉(SMR)や高速炉の実用化を目指す方針も表明。原発再稼働が滞る中、米国と技術面などで連携し導入につなげたい考えだ。

 新型コロナの国産治療薬の研究、開発を積極的に支援し、確保に取り組むとした。公明党の山口那津男氏がワクチンや治療薬について「海外に依存せざるを得ない状況にある」と指摘したのに対し答えた。

 「まん延防止等重点措置」に基づく飲食店への時短要請に関し「大人数、長時間など感染リスクが高まる行動をできる限り避ける観点から、めりはりの利いた対策を講じる」と説明。5~11歳の子どもへのワクチン接種に向けて、専門家による安全性と有効性の確認を進め「開始する場合は国民に丁寧に情報提供していく」と述べた。

 SMRや高速炉を巡っては「あらゆる選択肢を活用するという考えの下、日米間の協力も含め、小型炉や高速炉をはじめとする革新原子力の開発を着実に進める」と語った。既存の原発は地元の理解を得ながら再稼働を進めるとした。

 国土交通省の建設受注統計書き換え問題に対しては「極めて遺憾だ」と強調。施政方針演説で創設を表明した核軍縮を巡る「国際賢人会議」に関し「核兵器のない世界の実現に向けた具体的な道筋について、自由闊達(かったつ)な議論が行われるようにしたい」と言明した。

 各党代表質問は21日で終了。衆参両院の予算委員会は2022年度予算案の趣旨説明を行った。