新型コロナウイルス対策を助言する専門家組織の会合を終え、記者会見する脇田隆字座長(右)=20日、厚労省

 政府に新型コロナウイルス対策を助言する尾身茂氏ら専門家の有志は21日、さらに感染が急拡大した場合、重症化リスクの低い若年層については「外来医療の機能不全を防ぐため、必ずしも医療機関を受診せず、自宅での療養を可能とすることもあり得る」と方針転換を促す提言を厚生労働省のホームページに公表した。感染拡大防止対策は「人流抑制という方法もあるが人数制限が適している」とした。

 症状のある人の検査、診断をして治療につなげる医療や人流抑制に重きを置いたこれまでのコロナ対策の在り方を巡って議論が起きそうだ。

 有志らは20日の厚労省の専門家組織会合に若年層については「検査を実施せず、臨床症状のみで診断を行うことを検討する必要がある」とした提言案を提出。自治体などで波紋が広がり「検査せず」の部分を削除した。

 また政府や自治体が行う感染拡大防止対策の主眼について、21日に公表した提言では「人流抑制という方法もあるが人数制限が適している」とした。20日の案の段階では「人流抑制ではなく人数制限」としていたが、表現を修正しながらも飲食店などの人数制限に重点を置いた。

 公表された提言によると、オミクロン株は、デルタ株に比べて感染拡大のスピードは速いが、基礎疾患や肥満のない50歳未満の多くは感染しても症状は軽く、自宅療養で回復していると指摘。感染が疑われるすべての人が検査・診療で医療機関を利用すれば、地域の医療提供体制の能力を超える恐れがあるとした。

 その上で、感染対策と社会経済活動との両立が求められる現時点では「かつて実施した広範な人流抑制という方法もあるが、感染リスクの高い場面・場所に焦点を絞った人数制限が適している」と指摘した。

 医療提供体制では、高齢者や基礎疾患のある人の医療を確保し、新型コロナ以外の一般診療も両立するよう求めた。