オミクロン株の県内での急速な広がりを図解で示す山口祥義知事=県庁

 佐賀県の山口祥義知事は20日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、「まん延防止等重点措置」の適用を政府に要請する方針を明らかにした。対象は県内全域とし、期間は27日から3週間程度で、飲食店への営業時間短縮を要請する見通し。福岡、大分両県と一斉に要請し、警告効果を高める狙いがある。佐賀県内の感染者は20日、過去最多の256人に上り、3日連続で200人を超えた。

 山口知事はこれまで、感染スピードが速い新変異株「オミクロン株」に対し、重点措置の要請に慎重な姿勢を示してきた。20日の対策本部会議で、要請を決めた理由として「県境を越えた移動が多い北部九州が一緒に取り組むことで県民に伝える力も大きくなる」と強調。隣県だけが時短要請した場合に県内に人が流れるリスクも考慮した。

 山口知事は「飲食店中心の対策だけで感染拡大を防げるわけではなく、私もいろいろな思いがある。飲食店には申し訳ない」と苦悩をにじませつつ、協力を求めた。24日に政府へ要請、25日に国会で決定すれば、27日から適用される。「適用以前でも大人数での宴会や長時間の飲み会は避けてほしい」と呼び掛けた。

 重点措置が適用されると知事は、飲食店の時短や酒類提供の停止、イベントの人数制限、県境をまたぐ不要不急の移動自粛などを求めることができる。

 政府の方針では、感染対策の基準を満たした「認証店」は(1)午後9時までの時短営業で1日当たり2万5千~7万5千円の協力金を支給(2)酒類を提供せず午後8時までの時短営業で1日3万~10万円の協力金-を選択できる。非認証店は(2)のみ。

 政府が佐賀県への重点措置の適用を決定すれば、県は具体的な措置の中身を協議するが、「(協力金の支給などは)政府の方針に沿って対応する」との考えを示している。予算措置は議会の議決を経ない専決処分を検討する。

 山口知事は19日に福岡県の服部誠太郎知事と意見交換したことを明かし「(県民からは)『感染対策をすべき』『この程度の症状なら経済を回すべき』と幅広い意見を聞くが、全ての要望を満たす対策は難しい。その中でも一定の方向性を出すのが政治の仕事だと思う」と述べた。(栗林賢)

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