佐賀県の南里隆副知事(奥左)に、玄海原発でのトラブルを陳謝する九州電力の豊嶋直幸取締役常務執行役員(手前右)=東松浦郡玄海町の原子力訓練センター

 東松浦郡玄海町の九州電力玄海原発で火災や労災事故が相次いだことを受け、佐賀県の南里隆副知事は18日、火災が起きたテロ対策施設などの工事現場を視察した。検証中の事故原因の説明を九電側から受け、南里副知事は「なぜ事故に至ったのか、幅広く深く検証して」と改めて求めた。

 3、4号機のテロ対策施設で、火災が起きた「特定重大事故等対処施設」(特重施設)と、鉄筋が落下して作業員が負傷した緊急時対策棟の工事現場を見て回った。南里副知事は「繰り返しのトラブルの発生については県民がものすごく心配している。(工事の)期限がある上での焦りや無理な工程がなかったかも含め、しっかり検証してもらいたい」と注文した。

 県は検証チームを立ち上げるとともに、九電側に検証結果の報告を求めている。九電の豊嶋直幸取締役常務執行役員は「まだしっかりとした対策を示すには至っていない。検証チームの意見も聞きながら対策を取っていく」と述べ、検証を終える時期については「今の時点では申し上げられない」と記者団に話した。

 原発構内では2021年11月に特重施設で電工ドラムなどが燃える火災が発生、12月には工事現場で鉄筋が高さ約4メートルから落下し、請負会社の作業員2人が負傷する事故があった。

 火災を受けて特重施設の工事は中断しており、再開のめどは立っていない。特重施設の設置期限は3号機が8月24日、4号機が9月13日。(横田千晶)