トビイロウンカに強い稲の研究で表彰された佐賀大院生の馬場海希さん=佐賀市の佐賀大本庄キャンパス内の温室

 佐賀大大学院の馬場海希さん(23)が、稲の害虫であるトビイロウンカに対する抵抗性遺伝子を保有する可能性がある系統をアフリカイネから見つけ、遺伝解析で抵抗性の遺伝子領域を推定した。昨年11月にオンラインで開かれた日本育種学会の第16回九州・沖縄地区育種談話会で発表し、最優秀発表賞を受賞した。

 馬場さんは柳川市出身で現在、農学研究科の修士課程1年。農学部3年だった3年前、熱帯作物改良学分野の研究室に入り、藤田大輔准教授の導きとウンカ被害に見舞われた佐賀市の水田を見て、ウンカに強い稲に関する研究に取り組み始めた。

 まず日本の水稲品種を含むアジアイネとは異なるアフリカイネの100種類以上の種子を学内外から取り寄せた。1カ月ほど育てた稲に、ウンカを放ち、データを集めた。「WK18」がウンカに強い可能性があると絞り込み、そこまでを卒論にまとめた。

 次に抵抗性の遺伝子を探った。九州大が作り出した「WK18」に由来する28種類の種子とその遺伝情報を用いて、再び稲にウンカを放つ実験を重ね、「全体が100あるなら1ぐらいに遺伝子領域を絞れた」と話す。今後はここから遺伝子を特定し、日本の水稲品種への導入に取り組む。

 現在までにトビイロウンカ抵抗性遺伝子は40個以上が報告され、ほとんどがアジアイネでアフリカイネからは少ないという。「多様な遺伝子を育種に使うことでトビイロウンカが適応しにくくなり、強い稲を作ることができる」と意義を語る馬場さん。将来は種苗会社に勤め、食を通した社会貢献を目指す。(宮﨑勝)

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