上峰町・未来計画編

 自分たちが暮らす地域の現状や課題を学び、将来こうなってほしいという未来計画を描く「さが未来発見塾」。上峰町編では上峰中の全3年生90人が7グループに分かれ、分野別にふるさとの魅力と課題を掘り下げました。各グループのリーダーたちが議論を深めたワークショップと、練り上げた未来計画を議案として提案した子ども議会の様子を紹介します。

<前回までの流れ>

 塾生90人は第1回ワークショップで、七つのグループに分かれて上峰町の魅力と課題を考えました。講話では、佐賀県内のほとんどの市町で人口が減る中、上峰町は地理的な優位性もあって人口が増加していること、努力している人を応援する町からのサポートがあることなどを学びました。
 七つのテーマごとに挙がった魅力や課題を未来計画に反映させるため、町職員に取材を行いました。14人のグループリーダーが、それぞれのテーマに関連する部署の担当者に質問。行政の担当者から直接、具体的な取り組みを聞き取ることで、新たな課題を見つけ、未来計画のイメージを固めました。

 

ワークショップ

新たな名産品のアイデアも

町職員への取材内容をもとに、未来計画のアイデアを議論する生徒たち=上峰中

 未来計画策定のワークショップは8月23日に開きました。「財政」「防災」「環境整備」「教育」「地域振興」「国際交流」「医療・介護・福祉」の7グループからリーダー2人ずつ、計14人が参加。町職員への取材で学んだ町の具体的な施策をもとにアイデアを出し合いました。

 未来計画に盛り込みたい内容を、グループごとに発表しました。特に関心が高いイオン跡地問題では、地域振興以外にも複数のグループから「習い事ができる場所をつくって」「介護施設と専門学校がほしい」などの活用策が提案され、議論しながら項目を絞り込みました。学校のタブレット端末、地域電子通貨サービス「mineca(ミネカ)」など生徒の評価が高い施策について、使い道や対象など広げる提案も目立ちました。

 ワークショップから見えてきたまちづくりの方向性は、上峰町ににぎわいを生み、住む人を増やすこと。理想の上峰町を目指してさらに話し合い、子ども議会に提案する七つの条例案として未来計画をまとめました。

 

子ども議会

 

リーダー14人が執行部役と議員役に分かれ、条例案を審議した子ども議会=上峰町議場

イオン跡地問題など7議案提案

 未来計画のプレゼンテーションは11月10日、上峰町議場で開催された「子ども議会」での議案提案という形で行いました。町の幹部や町議が見守る中、リーダー14人が執行部役と議員役に分かれ、七つの条例案を審議。白熱した議論の結果、5議案が可決されました。

 リーダー以外の3年生3人が町長役と議長役を務め、議事を進めました。執行部役の塾生が提案理由を説明した後、議案質疑で議員役の塾生が疑問点を質問。生徒の関心が高いイオン跡地の再開発問題では、「道の駅やアスレチック施設、保健センター、整骨院などが入居する複合施設を開設する」との条例案に対し、議員は「整骨院はすでに町内にあるのになぜ新たに作るのか」と質問。執行部は「(健康に関する)関連施設を集めることで時間を節約でき、車のない高齢者も健康維持ができる」と答弁し、理解を求めました。

 採決の結果、防災グループと国際交流グループを除く5議案が可決されました。参加した生徒以外の3年生は、学校からオンラインで傍聴しました。

提案書上峰中子ども議会 提案議案(未来計画)

議案第1号minecaに関する条例(財政グループ)→○可決
⑴ 年齢ごとにminecaの配付金額を調整する。
  未就学者3,000円 小中高校生4,000円 18歳以上5,500円
⑵ 町はこれまでのminecaの活用に加え、以下の活用ができるよう整備する。
 ① minecaの飲食店におけるテイクアウトでの使用。
 ② minecaが使えるネットショップの開設。
  ※minecaは上峰町の地域電子通貨サービス

議案第2号防災対策の周知に関する条例(防災グループ)→×否決
⑴ 町は回覧板等を活用して全町民に防災対策を周知する。
⑵ 町は現在行っている防災対策を上峰町防災マップに掲載する。
否決理由:回覧板は子どもや若い人があまり見ない など

議案第3号上峰町内の道路整備に関する条例(環境整備グループ)→○可決
⑴ 町は道路の老朽化が見られる箇所を把握する。
  老朽化を確認した場合、できるだけ早期に修繕を行う。
⑵ 町は歩道に生えている草を年に1回除草する。
⑶ 町は歩道がない町道に、歩行者専用を示す色を付ける。

議案第4号上峰小中学校で使用する学習用端末(タブレット)に関する条例(教育グループ)→○可決
⑴ 町は学習に関するアプリケーションを生徒が積極的に活用できるようにする。
⑵ 町は生徒が自宅での学習に学習用端末を利用することができるよう必要な環境を整える。
⑶ 生徒は自宅で行う学習に学習用端末を積極的に活用する。

議案第5号イオン跡地の再開発に関する条例(地域振興グループ)→○可決
⑴ 町は町民が集まるために、以下の施設を含む複合施設を開設する。
  専門学校や塾、保健センターや整骨院、デイサービス、道の駅やアミューズメント
  パーク、カフェ、体育館・フィットネスジムやアスレチック施設、多国籍食堂
⑵ 町は上峰町のブランド製品を開発し、製品を販売する店舗を開設する。

議案第6号外国語の防災マップ作成に関する条例(国際交流グループ)→ ×否決
⑴ 町は英語、中国語、韓国語版の防災マップを作成する。
⑵ 町は作成した防災マップを町内に住む外国人に配布する。
⑶ 町は外国語で作成した防災マップを町のホームページに掲載する。
否決理由:日本語版の防災マップが浸透してから外国語版を作るべき

議案第7号高齢者への医療補助に関する条例(医療・介護・福祉グループ)→○可決
⑴ 高齢者の医療費負担を18歳以下の医療費負担額と同額にする。
⑵ 町は高齢者に必要な薬代を半額負担する。


【町長役・堤琉一さんあいさつ】
 誰にとっても住みやすい町に

 私たち3年生は、上峰町の魅力を高め、上峰町に住む人を増やしたいとの思いのもと、七つのグループに分かれてワークショップや取材を重ねてきました。私たちの未来計画でもある活動の成果が、今回提案した七つの条例案です。
 さが未来発見塾に参加して、子どもの医療費助成制度などの上峰町の魅力に気付くとともに、プランド品のアピールが足りていないなどの課題があることも分かりました。未来計画を通して、上峰町が誰にとっても住みやすい、よりよい町になるとともに、町外にも町の魅力が伝わりやすくなればいいなと思います。

 

財津勝記副町長の講評

議論白熱 今後も提案を

 思った以上に白熱した議論が行われ、感心しました。提案された議案は、3年生全員が時間をかけて取り組み、まとめ上げた結果だと思います。防災、安心安全、医療・福祉、中心市街地の活性化、町の経済の発展など、上峰町にとって本当に大事なことを取り上げてくれました。

 財政的な視点から見ると、町の一般財源の規模は約26億円で、そのうち94%は日常的経費です。新たに投資できるのはわずか6%ですが、町を良くするためにいろいろ考えています。国の補助金を取ってくるとか、民間に協力してもらうとか、整備の順番をどうするかなど戦略的な考え方も必要になってきます。

 子ども議会を通じて、町の魅力を発見できたのではないでしょうか。改善すべき点も感じたと思います。皆さんは将来の上峰町を担っていく人材です。これからもじっくり考えて、いろんなことを提案してほしいです。

塾生リーダー

寺﨑 莉乃 さん
 
 
 

東島 怜央 さん
 
 
 

香月 逢花 さん
 
 
 

八谷 咲希 さん
 
 
 

平井 香凜 さん
 
 
 

増岡ひより さん
 
 
 

荒木 陽菜 さん
 
 
 

石山 精玲 さん
 
 
 

中島 俊輔 さん
 
 
 

安永  叶 さん
 
 
 

於保夏寿沙 さん
 
 
 

栗山 聡花 さん
 
 
 

石橋 美空 さん
 
 
 

栁 羅維蔵 さん
 
 
 

 

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