ドライブスルー形式で実施されている新型コロナウイルスの抗原検査=唐津市健康サポートセンターさんて

 佐賀県内で新型コロナウイルスの感染が「第6波」の様相を呈している。複数のクラスター(感染者集団)が発生した唐津市では1~12日の感染確認が187人に上り、県全体(408人)の4割以上を占める。背景には年末年始の人の移動とそれに伴う会食に、感染力が強い新変異株「オミクロン株」への置き換わりが重なったことがあり、感染が急速に広がっている。

 9日、県の新型コロナ対策本部会議。山口祥義知事は唐津市の感染状況に関し「正月のはしご酒でいろんなお店に行ったことから、多くの人に感染が広がった」と述べ、市中感染が起きているとの認識を示した。

 県内で約3カ月ぶりのクラスターが確認された唐津市の居酒屋について、県が利用客の行動歴を確認したところ、新年会や同窓会で店を利用した人たちが、バーやスナックなど複数の店をはしごしていた。県はこのことが市内の2件のスナックのクラスターにもつながったとみている。

 これらの利用客が別日の同窓会などの会合にも出席したことで「特に唐津ではオミクロン株ということもあって、瞬く間に広がった」(山口知事)。県が積極的に疫学調査をしていることもあり、関連の感染確認は約150件に上る。

 市内では11月中旬以降、感染者ゼロが続いていたこともあり、市中心部の飲食店は年末年始に満席となる店が多かった。しかし、クラスターが相次いだことで客足は激減し、中心部で飲食店やスナックを経営する60代女性は「夜はほとんど時短営業状態」とこぼす。

 感染者の急激な増加を受け、唐津保健福祉事務所は県庁などから事務や医療系の職員10人の応援を受け、業務に当たっている。担当者は「まん延防止等重点措置が適用された昨年8月と同様に業務量が増え、感染経路や濃厚接触者の特定に追われている」と話す。

 県は13日から飲食店の営業許可など各保健所の通常業務の受付日や時間を縮小することを決めており、新型コロナ対応にマンパワーを集中させていく。

 感染者の早期発見につなげようと、唐津市は11日から感染を簡易的に判定する抗原検査センターを市健康サポートセンター「さんて」に設置した。ドライブスルー形式で検査し、1日当たり約100人の予約を受け付けているが、13日まで予約が埋まっているという。11日は84人、12日は78人が検査を受け、これまでに1人の陽性が確認された。

 市の担当者は「医療体制の逼迫(ひっぱく)とまではいっていないが、感染者数を見れば(昨年8、9月の)まん延防止の状況に近づきつつある」と警戒し、今後は公共施設の利用制限なども検討していくとした。(大橋諒、横田千晶、中村健人)

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