1980年代、若い世代を中心に人気を集めた商品の一つにソニーの「ウォークマン」がある。いつでも、どこでも、歩きながらでも音楽を楽しめる画期的なプレーヤーで、新しい文化スタイルをつくった◆今でも記憶に残っているのが87年のテレビCM。イヤホンをしたサルが物思いにふけるように遠くを見つめる映像で「音楽を聴きながら瞑想(めいそう)するサル」として話題になった。現在はもっぱらスマートフォンだろうが、ウォークマンと聞けば憧れた当時を思い出して懐かしい◆そのソニーグループが今春、電気自動車(EV)の新会社を設立する方針を表明した。先端技術を導入したスポーツタイプ多目的車の試作車も公開。カメラ向けに開発してきた画像認識用などのセンサーを使い、安全運転を支援するという◆脱炭素の機運が高まる中、EVは次世代の環境車として拡大が見込まれる。ガソリン車に比べて部品数が少ないため、新規参入の障壁も低く、映像や通信などの技術を持つ電機系企業の動きが活発になっている。EV市場は車メーカーの独壇場ではないようだ◆ソニーは世界最大級の家電IT見本市で参入方針を示したが、EVは電化製品の部類になっていくのか。自動運転の技術開発も進んでいる。そう遠くない将来、ハンドルを握ったサルのCMが流れてくるかも…。(知)

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