「拉致問題の解決には世論が重要。集会や署名活動の高まりは北朝鮮指導部に確実に報告される」と話す蓮池薫さん=佐賀市文化会館

 北朝鮮による拉致被害者の蓮池薫さん(64)が11日、佐賀市で講演し、米朝の関係改善が進まず、日朝交渉も膠着(こうちゃく)した現状を挙げ「拉致問題解決には強い国内世論が必要。関心を持ち協力してほしい」と訴えた。

 「拉致問題を考える県民の集い」で登壇した蓮池さんは、日朝間の今後の交渉について「北朝鮮に強い影響力を持つ中国を引き込むことが重要」と指摘。その上で「北朝鮮は拉致被害者の親世代がいなくなれば日本は静かになると考えている。その思惑をつぶさなければならない」と力を込め、「政府は拉致被害者を帰した時の支援策や返さなかった場合の対応などのメッセージを示すことが大切」と強調した。

 蓮池さんは1978年に当時交際していた妻の祐木子さんとともに拉致され、2002年に帰国。04年には北朝鮮に残してきた子どもたちも帰国した。講演では北朝鮮に子どもを残したまま日本で生活を始めたときの思いや拉致されたときに「殺されると思った」ことなどを生々しく語った。

 県民の集いは佐賀県や救う会佐賀などが毎年開いている。(石黒孝)

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