岸田文雄首相が12歳未満の希望者に新型コロナのワクチン接種を前倒しで行う方針を表明したことを受け、佐賀県内の自治体には11日、戸惑いが広がった。大人の接種では必要なかった準備や細心の注意が求められることが背景にあり、対応に追われることになる。

 「ワクチンは2月に輸入され、早くても3月に接種予定と聞いていたが…」。鳥栖市の担当者は、接種間隔の変更や前倒しの表明がまたも繰り返されたことに困惑する。別の自治体の担当者は「国民にいい格好をするたびに、現場は振り回される。準備はしっかりやるが、政治家は言うだけで済むから楽でいい」と恨み節も漏れる。

 12歳未満への接種では、投与するワクチン量が大人より少なくなるため、作業上のミスを防ぐ工夫も求められる。唐津市は「会場を分ける必要がありそう。小さな子どもは注射を嫌がって走り回るなどスムーズにいかない」と人手がかかる点も強調する。

 佐賀市は医療機関での個別接種を検討しているが、「ワクチン供給量が示されないと、小児科医院だけのお願いでいいのか判断できない。量次第では、年齢別に接種時期を分ける必要もあるし…」と頭を抱える。

 四種混合ワクチンなどを接種している子どももおり、「2カ月たってからコロナワクチンを打つ必要があるなど、予約受け付け時に確認することが大人より多い。混乱を招かないよう医師会と協議したい」と気を引き締める。

 県は「現在のワクチンはいずれも12歳以上が対象で、国内での薬事承認の申請はファイザー製だけ。まだ12歳未満では承認されておらず、ワクチン供給とセットでないと動きようがない」と静観の構えを見せる。11日夕方の時点で厚労省などから具体的な通知はないという。(取材班)

【関連記事】
このエントリーをはてなブックマークに追加