時速約90キロで滑降し、時に130メートル以上を飛ぶスキーのジャンプ競技を見るたび、どうやって恐怖心を克服しているのだろうと、いつも思う。スキーやアイススケートなど恐怖心を伴うスポーツは、幼い頃に始めた方が上達しやすいという。そうか。社会人になって挑戦したスキーが結局、恐怖心に打ち勝てないまま終わったのは、そのせいか◆きょう1月12日は「スキーの日」。1911年、オーストリアのレルヒ少佐が、新潟県で日本人に初めてスキーを指導した日にちなむ。以来1世紀以上が過ぎ、積雪が少ない佐賀県でもスキー愛好者は増えた◆筆者がスキーをやってみようと思ったのは89年12月、「天山スキー場」が富士町にオープンしたから。当初は人工降雪機がそれほど稼働しなくても滑れたように記憶する。だが、地球温暖化の影響か、近年は寒冷地でも積雪が少なくなり、スキー場は苦戦続き。コロナが追い打ちをかけ、天山スキー場はとうとう廃業を余儀なくされた◆思い出の場所が消えていくのは寂しいものの、時代の流れには、乗るのも逆らうのも簡単ではない。またいつか追い風が吹く時もあるだろう◆映画「私をスキーに連れてって」のようなラブロマンスはなく、不格好なスキーのまま終わるのは残念だが、それでも天山スキー場に言おう。思い出をありがとう。(義)

下記のボタンを押すと、AIが読み上げる有明抄を聞くことができます。

このエントリーをはてなブックマークに追加