「歴史は現代との合わせ鏡」と語り掛ける『威風堂々』の作者伊東潤さん

歴史や世の中のことを知る大切さを若い世代に訴える国際政治学者の三浦瑠麗さん

コーディネーターを務めた佐賀新聞社の中尾清一郎社長

 大隈重信の没後100年の命日となった10日、大隈の生涯を描いた佐賀新聞の連載小説『威風堂々』の出版を記念した県主催のトークイベントが佐賀市の県立美術館ホールで開かれた。著者で小説家の伊東潤さん、国際政治学者の三浦瑠麗(るり)さん、佐賀新聞社の中尾清一郎社長が登壇し、大隈の生きざまから未来へ伝えるべきメッセージを考えた。

 イベントでは、幕藩体制から現代の民主政治につながる政党政治移行への中心的な役割を大隈が果たしたことを踏まえ、民主主義の必要性について意見を交わした。伊東さんは「民主主義はよりブラッシュアップして若い世代に引き継がねばならない」と強調し、三浦さんは「民主主義のため、明治期に多くの血が流れた」とその導入に命をかけた先人たちに思いを寄せた。

 中尾社長が歴史を学ぶ大切さを問いかけたのに対し、伊東さんは「歴史は現代との合わせ鏡。歴史小説家として政治や社会に声を上げていきたい」と意気込みを語った。三浦さんは「歴史や世の中を知ることは、自分を知り悩みを克服することにつながる」と若い世代に語りかけた。

 イベントでは昨年1月に始まった県主催のプロジェクト「大隈重信100年アカデミア」の紹介や伊東さんの基調講演もあった。

 伊東さんが2018年から20年12月まで佐賀新聞で連載した小説『威風堂々』(中央公論新社)の上下巻は、11日ごろから県内の主要書店に並ぶ。イベントの様子は後日特集面で詳報する。(花木芙美)

このエントリーをはてなブックマークに追加