「感染者数に一喜一憂せず、これまで通りマスク着用や手指消毒を徹底することが重要」と話す青木洋介教授=佐賀大医学部

 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が急速に広がり、佐賀県内でも感染者の増加傾向が鮮明化している。感染症学が専門の青木洋介佐賀大医学部教授は、重症化率の低さなどから「過度に恐れることはない」としつつ、感染が水面下で想定を越えて拡大している可能性もあり、「PCR検査の陽性率に注視して」と呼び掛けている。

 県内の感染者数は人の移動が活発だった年末年始の休暇を終えた5日以降に急増。山口祥義知事は9日の県対策本部会議で「ほぼ全てがオミクロン株に切り替わった」との認識を示しており、10日は55人の感染が確認された。オミクロン株は感染力がデルタ株の3倍近く強いとする推計がある一方、英国保健当局の報告によると入院リスクは3分の1とされている。

 青木教授は昨年春ごろの第4波に比べて今回の「第6波」は、重症化する患者の割合が低くなっていると分析し、「これから注意すべきはPCR検査の陽性率」とみる。陽性率が上昇している現状から「検査数が相対的に足りておらず、感染者数が増える可能性がある」と指摘する。

 今後、感染者やその家族ら濃厚接触者が増えれば、国が続ける「感染者は原則入院」とする政策は破綻し、「社会の機能が停止しかねない」と危惧する。

 全ての陽性者を入院させていた佐賀県が軽症者を原則ホテル療養と方針転換したことを挙げ、「時機を見定め、国の方針も転換が必要になる」と予測する。県民に対しては「感染者数の増減に一喜一憂せず、マスク着用や手指消毒など自分にできる感染対策を徹底することが重要」と話している。(石黒孝)

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