旧武雄市の史蹟誌をまとめた古賀さん。手前はこれまでに出した史蹟誌

 武雄市武雄町の古賀堯示(たかし)さん(74)が、旧武雄市の石碑や神社、仏閣などを記録した「旧武雄市史蹟(しせき)誌」をまとめた。地元の同市下西山などに続く4冊目で、戦国時代から明治、大正、昭和時代まで130件を丹念に調査した。3年かけた労作で、埋もれつつあった地域の歴史を後世に引き継ぐ。

 古賀さんは2008年3月に市役所を退職後、下西山区の役員を引き受けた。年長者から聞いた史跡の話に興味を持つようになり、訪ね歩いてまとめることを思いついた。16年の下西山を皮切りに、17年に出身地の山内町、19年に円応寺(武雄町富岡)を冊子にした。

 今回の旧武雄市編は武雄町など7町に山内町の補筆分を加え、A4判730ページにわたる大作となった。「塚崎城の石門」(武雄町)「中野一族の墓碑」(朝日町)などをカラー写真付きで紹介する。碑文は独学で読み解いたが、分からない部分は県立図書館やインターネットで調べた。

 「三間坂権現さんの鏤刻(るこく)文」(山内町)は当初、判読できなかった。古賀さんは「後日、光の具合で見えるようになり、黒髪山大権現に関する記述と分かった。理由は不明だが、刻字の一部が削り取られていることも確認した」と印象深い調査だったことを振り返る。

 今後は「千人塚碑文」(同町)の解読を進める。史蹟誌は、小城市や伊万里市などの図書館に寄贈した。読んだ人から問い合わせの手紙が届き、「先生の意見を伺いたいと言われることもあり、少し照れくさい」と笑顔を見せた。(澤登滋)

 

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