きょう1月10日は「成人の日」。新成人の皆さん、大人の仲間入りおめでとう。今年の新成人は2001年度生まれが対象。つまりは「21世紀」生まれの先頭であり、「3千年紀」の先頭でもある。新しい時代を引っ張る自覚と覚悟を持って大きく羽ばたいてほしい。

 加えて、改正民法が今年4月に施行され、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられる。4月1日以降は18、19歳が新たに新成人となる。20歳と18歳。2歳差は大きいような小さいような。対象世代の胸中はきっと複雑で、「大人」って何? と自問自答したくもなるだろう。経済的、精神的な自立と自律が要件と考えるが、明快な答えはなく、自分の中にそれぞれ「理想の大人像」を描くことが大切だ。いずれにしても、今年の新成人は3学年という特別な意味合いを持ち、21世紀の「責任世代」という自覚が必要だろう。

 明治時代から続いた成人年齢の引き下げに関し、議論の過程では明らかな「反対」の声は少なかったように思う。他国では18歳を成人とする国が多く、日本でも働いている18歳は社会人として扱われ、選挙権も既に18歳に引き下げられている。自身の18歳の頃を振り返ってみても、「一人前の大人として扱ってほしい」という思いはあった。

 健康面に配慮し、飲酒、喫煙などはこれまで通り20歳からで、公営ギャンブルの解禁も20歳のままだ。各種契約に関するトラブルが懸念材料だが、これは20歳であっても変わらない問題であり、消費者教育の充実でカバーするしかない。社会への「参加」というより、社会を「支える」意識を持ってもらう意味でも、18歳成人は決して悪いことではないと思う。

 というのも、少子高齢化に歯止めがかからない現状があるからだ。今年の新成人の人数は全国で120万人と過去最少。佐賀県内は8749人で前年から129人減った。「数は力」だが、その数を確保できなくなってきた。マンパワーが半減した職場もあるかもしれない。職場に加え、地域からも「祭りなど伝統文化を継承できない」といった人手不足への嘆きが聞こえる。

 この現状にどう対処するか。担い手が少ない分、必然的に新成人一人一人にかかる負担、期待は大きくなる。とはいえ、新成人にしてみれば、「少子化は私たちが生まれる前からの課題。少数精鋭を期待されても限界はあり、荷が重い」と反発したくなるだろう。

 それでも、新成人は生まれた時からインターネットやスマートフォンが身の回りにある「デジタルネイティブ世代」。私たち中高年世代とは全く違う発想ができ、AI(人工知能)などを活用した情報産業はさらなる革命を起こす気がする。固定観念や旧弊を打破し、新しい感覚でリーダーシップを発揮してほしい。中高年世代は若い人たちの意見に謙虚に耳を傾け、協力する意識を持ちたい。長年の経験が全て価値を失うわけではなく、苦しい時に出番があるだろう。新型コロナウイルスが収まらず、ますます先行きが見通せない時代。だからこそ、「断絶」ではなく「協調」が、これまで以上に求められる。新成人を中核として、大げさにいえば「地球の針路」を探していきたい。(中島義彦)

このエントリーをはてなブックマークに追加