有田小児童の風景画をあしらった、「そうだったんだ!有田内山まるわかり」展のポスター

 2022年の年が明けた。コロナ禍で迎えた2度目の正月だが、一昨年、昨年と恒例の春の陶器市が中止となり、一年の計は元旦よりも陶器市にある有田にとっては、何ともスッキリとしない年が続いている。今年こそは何とか知恵を絞り、開催できることを願っている。

 ところで、その陶器市のメイン会場となる内山地区が、平成3(1991)年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、はや30年が過ぎた。それを記念して有田町歴史民俗資料館では、1月22日から2月27日の日程で、企画展を開催予定である。題して「そうだったんだ!有田内山まるわかり」。30年前には約5000人だった内山の人口も、現在では約半分に減少、空き家も目立つようになった。そのため、町並みの適切な保存とともに、活用や活性化も喫緊の課題であり、町民の方々にそれを考える材料を提供するため、内山とはどういう土地柄なのか、できるだけやさしくお伝えしようという企画である。

 内山という場所は、実は磁器生産の本格化を目指し、佐賀藩が人工的に造った町で、人々が集まり自然にできた町ではない。そのため、成立から一度も農村を経ていない、全国でも希少な、いわば都市型の田舎である。現金商売が盛んだったため、新し物好きの派手好きで、『鍋島直正公伝』にも、領内で都会と呼べる商工業繁栄の地は有田と伊万里のみとし、皿山は風俗も豪奢(ごうしゃ)と記すほどである。

 期間中は入館料無料。ぜひ1度、2度と足を運んでいただきたい。

(有田町歴史民俗資料館長・村上伸之)

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