有明海での作業を終え、帰港したノリ漁業者=鹿島市飯田の箱崎港

 「秋芽網の収入はゼロで、冷凍網ノリも今ぎりぎりのところ。これ以上海況が悪化すれば、どうなるか…」。藤津郡太良町大浦のノリ漁家、大鋸武浩さん(51)は今季の厳しい状況をこう表現する。他の漁業者も「ここまで悪いのは経験がない」と口をそろえる。

 今季の佐賀県内のノリ養殖は海況の違いによる栄養塩不足などで地域差が極端に大きくなっている。鹿島市や太良町など県西南部沖では、10月末に種付けした秋芽網が“全滅”した漁場もあった。これから収穫が本格化する冷凍網についてもノリが黒くならず単価が下落する「色落ち」の被害が懸念されている。

 鹿島市沖で養殖している漁業者は年末から年始にかけ、ノリに栄養分を与えるための施肥(窒素塩添加)の作業に追われた。七浦地区の男性(37)は「前年の比じゃない。ものすごく厳しい」と嘆息。西南部海域の冷凍ノリは毎年のように苦戦が続いており、「望みは薄い。色落ちは覚悟している」と話した。(中島幸毅)

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