修学旅行の中止を伝えるメール

 新型コロナウイルスの新しい変異株「オミクロン株」による全国的な感染拡大が、佐賀県内の高校生の修学旅行にも影を落としつつある。感染者が急増している関東などを目的地としていた学校の中にはすでに中止を決めたところもあり、2年連続の中止など「苦渋の決断」を強いられている。

 「高校生活において、生徒の心に深く残る行事の一つである修学旅行を中止せざるを得ないことを大変心苦しく思いますが、何とぞご理解くださいますようお願い申し上げます」―。鳥栖高(鳥栖市)が7日夕方に2年生の保護者向けに送信した修学旅行の中止を伝えるメールの文面には、2年連続の中止とあって無念さもにじんだ。

 鳥栖高によると、1月16日から19日までの3泊4日で、東京を経由して新潟県のスキー場と東京ディズニーランド(千葉県)を訪れる予定だった。同校は「年末は中止するまでの明確な理由がなかったが、ここ2、3日で感染者が急激に増えている。オミクロン株の広がりの速さもあり、生徒の安全を第一に考えた」と説明。生徒には学年集会で伝えたという。

 伊万里実高(伊万里市)も7日に中止を決めた。2年生だけでなく、前年度中止となった3年生(希望者142人)も1年越しに実施する予定だったが、かなわなかった。德永智浩副校長は「可能性を探ったが、感染者の増加率が激しく、今後もさらに拡大していくことが予想され、難しいと判断した」と話す。神埼高(神埼市)も7日に中止を決め、白石高(杵島郡白石町、大町町)も「いったん検討し直す」としている。

 県教育委員会によると、全日制の県立高校32校のうち、昨年は31校が修学旅行を中止した。今年も7日までに数校から中止の連絡が入っているという。県教委は、直近1週間の新規陽性者の合計が人口10万人当たり7・5人以上の都道府県を感染リスクが高い地域とする目安を示しており、この数値を超えた目的地が増加していることが中止の判断につながっているとみられる。

 一方、当初は1月の予定だったが、感染拡大を見越し、既に12月に実施したという高校も複数ある。ある高校の担当者は「前年度は2回延期して結局行けなかったので、12月に前倒しした。(感染拡大前で)幸運だった」と話した。(大橋諒、青木宏文)

 

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