2020年の米の収穫風景。作況は81と前年より大きく改善した=杵島郡江北町

 九州農政局は2020年の農業産出額を発表した。それによると、佐賀県は1219億円で前年比7・4%増となった。台風による塩害で落ち込んでいた米が前年比約5割増と反動増となったことが数字を押し上げた。一方で肉用牛やお茶などは新型コロナの影響もあって振るわなかった。

 県の産出額を部門別でみると、米が227億円で前年より46・5%(72億円)増えた。作況指数(平年=100)は81の「不良」で良い数字ではなかったが、塩害や豪雨などで58と全国最低だった前年からは大きく改善。その分、収量が増えて産出額も伸びた。

 野菜は343億円で前年比2・4%増、果実も197億円で同2・1%増となり、全体を押し上げた。

 一方、麦類は22億円で前年比29%(9億円)の大幅減だった。収量が減った上、単価も安かったためという。大半がお茶の工芸農作物も同15%(3億円)減となった。

 畜産は全体では342億円、前年比0・6%増とほぼ横ばいの状況だった。このうち、162億円とほぼ半分を占める肉用牛は前年比で0・6%(1億円)減となっている。鶏も105億円で2・8%(3億円)減と振るわなかった。

 品目別でみると、前年2位に後退していた米が1位に返り咲き。他の順位は前年とほぼ同じだった。コロナにより早生わせ種が大きな影響を受けたタマネギは3億円減、水害にあったアスパラガスも3億円減などとなった。一方、ミカンやキュウリは増加し、前年は塩害に見舞われた大豆も大きく伸びている。

 歴年で比べると、15~17年は1300億円台となったものの、その後は、豪雨などの影響で下落している。

 九州全体の産出額は1兆7422億円で前年比0・6%減。野菜、豚、イモ類が増加したものの、コロナが影響したとみられる肉用牛やお茶の価格の低下、花きの生産量の減少などがあり、全体として微減となった。県別では4県がマイナスで、佐賀が一番高い増加率だった。(宮里光)

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